働き方改革が叫ばれていますが、実際の先生方はどのようなスケジュールで1日を過ごしているのでしょうか?そして、どのように子どもたちと向き合っているのでしょうか?
本記事はそんな「ある担任の一日の流れと、担任の基本姿勢について」がテーマです。
※本記事は教員0年目サークルのzoom会①が基になっています。メインスピーカーは本サイトの管理人である篠田です。
担任の1日
1日の流れ・超詳しいver. <小学校教諭4年目・6年生担任>
時間 | 内容 |
7時10分 | 自宅を出発 |
車で通勤(雪の日は6時) | |
7時40分 | 出勤 |
1日の流れをみて出勤簿を押し、全ての教科書類を買い物カゴに入れて教室に移動していた。 ※先生によっては教室に教科書を置いている人もいた。 | |
8時05分 | 勤務時間&朝の会スタート 健康観察、朝の歌、宿題集め(4人×8グループ、グループの中でどの位置に座っているかによって番号を振り分け、何を誰が集めるか指示)、先生の話(1日の見通しを伝える)… 朝活動に読書タイムなどもしていた。 |
8時35分 | 授業スタート |
学習規律(発表の仕方、聞き方、態度など)との戦いだった。 学習規律を整えないと集中できないので、学習規律を整えながら授業を進めていた。 | |
10時10分 | 25分間の中休み 会話しつつ、宿題の丸つけ、宿題チェックをする。 宿題忘れた子には「忘れたので、(どうするか)」と言わせていた。 中休みにやるって言っていた子がちゃんとやっているか見るようにしながら、マルチタスクをこなすことが大変だった。 |
10時35分 | 授業 |
平均1日1コマ空きコマがあったのでとてもありがたかった。 低学年の先生は空きコマが週に1コマくらいだった。 その日のうちにテストが返せるように空きコマをうまく使っていた。 | |
12時10分 | 給食(給食当番はランチルームへ) それ以外の子は読書タイムだが、座って読書させることが大変だった。 それを整えてからランチルームに行って給食当番の様子を見守っていた。 配膳、食事、片付けの見守りをする。 |
13時10分 | 歯磨き 給食後、(音楽がなっている間に)歯磨きタイム 寄り道しながら遅れて教室に来てしまう子もいる。 歯磨きが終わるタイミングは音楽が終わってアナウンスが終わった時、と学級でルール化していたが、ルールを破って早く立ち上がる、などということも起こる。 その子達にどう対応していくかも悩みどころ。 |
昼休み 昼休みは宿題の丸つけ、たまに集めるノートのチェックをしていた。 やることが終われば子どもと喋ったり遊んだりしていた。 委員会の集まりが多かったり、掲示物の張り替えなどの地味に大変なことも子どもと一緒に終わらせたりしていた。 | |
13時30分 | 掃除 各掃除場所に行って見守り昼休みのトラブルを学年主任や教務主任の先生に伝えたりしていた。 また、掃除中くらいしかトイレに行ける時がなかった。(全員同じで混んでいた。) |
13時50分 | 授業 |
15時25分 | 帰りの会 明日の連絡や連絡帳記入、プリントを配布。 |
15時50分 | さようなら |
居残り対応したり、ノートチェックしたり、生徒指導も。 教室環境整える。 | |
16時20分 | 職員連絡会 週2で実施→気になる子や行事等の今後の見通しについて共有 |
16時35分 | 勤務時間終了 |
勤務時間終了後 毎日:電話対応、学年の相談(進度)、学級事務、明日の準備 日によって:校内鍵しめ、委員会のこと、お便り作り、テストの丸つけ、校務分掌、通知票(所見を毎日書くと決めていた)、卒アルの整理、研究授業があれば指導案を作るなど… | |
19時30分 | 退勤 |
20時 | 帰宅 |
勤務時間内に授業準備できない…
←おかしい!!
勤務時間終了後に授業の準備や行事の準備・事務作業をするしかなく、常に時間が無かったです。残業代も出ないプライベートの時間を削るのは、いくら教育への情熱や子どもへの愛情があっても、きつかったです。やりようはあると思いますが、仕組みが変わればいいし、変えたいと思っています!
チャット
Q:休み時間の使い方について質問です!中休み・昼休みそれぞれ児童と遊んだほうがいいとの話をよく聞きます。先生方は丸付けやノートチェックと子どもと遊ぶことをどのように折り合い付けてましたか?
A1:遊び時間を確保するのは非常に難しいのが現状です。今日は遊ぶぞ!ってときは、はなからノートを集めません(笑)給食の準備中に丸つけすることも多々あります。
A2:僕は、クラスのみんな遊びの日は先生も参加。ですね!はっきりと〇曜日は遊べるよ~を伝えています。
A3:私は、中休み、昼休み共に子ども達と時間いっぱい遊びます。丸つけは、10分休みです。
A4:若いほど遊び優先が良いです!私は、学校で一番遊んでいます。保護者にも伝えています。
A5:自分がそうだったのですが、外遊びが好きでない子もいるので基本的にいっしょに遊びませんでしたね。
その他
- ノートを集めた後、返す日をまたがない方がいいと思います。忘れすれちゃうから。
- ノートを教室のどこに置いて、いつ誰が返すかが悩ましい…
- ノートについては朝のうちに丸つけしてすぐに返却する先生もいた。
担任の基本姿勢
担任の基本姿勢は今からもっておくといいと思います!
例えば、「〇〇だけは許さない」というのを初日に伝えられるとよい!
なぜなら…子どもには後出しジャンケンは通じないから!最初が肝心!
ただし、全てを教師が決めると独裁政治みたいになります。
私は、「危険なこと・人権を侵害することは許さないよ」と伝えていました!
チャット
Q:よく学級運営において4月の先生がクラスに向けて最初に何をいうかが大切だというお話を聞きますが、気をつけていたこと(言うこと、雰囲気など)はありますか?〇〇はしない!など、厳しめな雰囲気で話すべきですか?
厳しく言う必要はないと思います。ただ、「真剣に」言うことが大事だと思います。真剣さって子どもに伝わります。だからこそ、真剣に・情熱をもって伝えられるほど、伝える中身を考えておくことが大事だと思います。
自分の基本姿勢を考えるヒント!
・こんなクラスがいい
私は、自分がいなくても過ごせるクラスにしたいと思っていた。ルールもクラス会議で子どもたち自身が決めて1日の流れが決定していた。
例)ポイント制・連絡帳を書くタイミングなど
こんな風に自分の教育観を見つけてほしい!
・こんな大人になってほしい
私は、「当たり前のことに疑問をもって、変えていける人になってほしい!」と思っていました。
例えば、校則に疑問を持って、守らない子がクラスに出てきました。その時クラス全体に、「世の中のルールが正しいとは限らないから、疑問を持つことはいいこと」「ただ、平然と破るのではなく、変えていかないといけないよ!」と伝えたら破る子はいなくなりました。
・なぜ勉強するのか
「どうして勉強するの?」という子どもの問いになんて返すか考えておくといいと思います!
これは何年たっても答えるのが難しい問いです。
・なぜ学校に来るのか
なぜ学校に来るのか、という理由を語れるようにしておくといいと思います。塾じゃだめなのか、家で一人で勉強するのではだめなのか、公園で友達と遊ぶのではだめなのか。
私が尊敬する先生は、授業で友達に教えてもらって意味がわかった、という子どもの姿を見取って「今日学校に来てよかったね!」と伝えておられました。とっても素敵ですよね。
・学級目標
学級目標は先生によって価値づけが違いました。 絵に描いた餅ではなくて、軸にして学級を作っていくことが大事だと、岩瀬直樹先生から学ばせていただきました。
3時間くらいかけて決めていました。学級目標という軸をつくることで、毎日の行動の振り返り地点ができ、子どもたちのメタ認知が促進されます。だからこそ、みんなが本気で目指せる・素敵だと思える目標にすることが大事です。
ただこれも担任の声がけ・働きかけ次第で絵に描いた餅になっていきます。毎日振り返る声がけをする、振り返りのテーマにする等、担任も本気でこのクラスにしよう、と腹を括ることが必要だと思います。
・ご褒美システムの方法
例えば、ビー玉貯金、はな丸を貯めるなどの実践がよくあります。10個たまったら、はな丸パーティー!のような。
私は高学年を担任した時は、どうしたらポイントがたまり、何ポイントで何時間のお楽しみ会ができる、という基準も子どもたちが決めていました。自分たちに甘くなるかと思いきや、そんなことはないんです。
お楽しみ会の時間数については、授業時数との兼ね合いもあるので、マネジメントが必要です。
・その他(やっていた、考えていたことの例)
- ・「係はクラスがよりよく・楽しくなるためのこと」「当番は教室の運営のためになること」という前提を共有。
- ・月予定でテストの日を提示。(小テスト、大テストをバランスよく配置し、自主学習の目標にしやすいように)
- ・けテぶれ学習法(葛原祥太先生)を実施していた!
- ・振り返りジャーナル(毎日の交換日記のようなもの)をしていた!
最後に
教員の具体的なスケジュールが想像できたのではないでしょうか?
また、教師としての基本姿勢などについて、ぜひ一度考えてみてください^^
次回も引き続きお楽しみに~!