教員の多忙が問題視されている昨今ですが、どのようにして授業準備をしているのでしょうか?また、授業ではどのようなことに気を付けたら良いのでしょうか?
今回は当サイトの管理人篠田がお話しした内容をまとめました!
本記事は2021年2月8日に教員0年目サークルzoom会でお話しした内容を基にしています。
1 授業をする前に
年間・学期での授業の見通しをもちましょう!
①各学校が作っている年間指導計画をチェック
各教科に年間指導計画がありますので、それを見てまず年間・学期の見通しをもちましょう。私は、国語と算数を中心に、その学期分の予定を教室に掲示していたこともありました。これによって、学習の進度が遅れることを防げます。
②各教科でいつ頃何をするか、学年で相談を(図工は教材の購入が必要!)
特に図工は材料の購入や、家庭に準備していただくものがあるので、早めに1年分を決めておくといいです。他教科でも、カリキュラムマネジメントも含め相談しておくといいです。(教科を横断した学習はできないか、という視点です。)
③自分でいつ頃どの単元に入るかという見通しを
この単元にはいつごろから入って、何時間使おう。テストはこの日程でしよう。という見通しを4月の最初にノートに書いていました。やるかやらないかで、その後の進めやすさが全然違います。
2 授業に関するルール
これらを整えながら授業します。
学習規律
■発表の時の挙手の仕方
・手を伸ばして
・「〜です。」と言う
・「はいはいはい」と言わない→騒がしい場になってしまうから。
■発表の仕方
・発表者が次の人を当てる時間もあった
・話の聞き方(書きながら聞くは難しい)→話している人を見る、うなづく、反応する
学校で決まっている場合もあるので、聞いてみましょう!
3 授業で気をつけていたこと
・言葉を極力少なく端的に指示する
教師が手を挙げながら発問するだけで手をあげればいいんだと伝わる
・全員が活動に取り組むことを仕組む
ペアでの音読、発問後必ずペアで話す
例)国語の授業で、初発の感想をペアで伝え合う→感想を書く
・見通しをもたせる
最初に1時間の流れをわかるように。単元の初めに単元のゴールがわかるように。
・何もしない時間を生み出さない
これが終わったらこれ、は常に提示する。「終わった人から〇〇」は指示とセット!
例)算数の問題が解き終わったら席を立つ→立っている人同士で意見交流→みんな立ったら終了
・〇〇をする時間だということを明確に
書く時間、聞く時間、見る時間、話す時間
子どもたちは、同時にいろいろなことをすると混乱するし、集中もしづらいです。
4 授業準備の仕方
①ノートに書くこと
・単元の目的
・1時間ごとの学習課題
・1時間の活動内容
を書く。
これは単元に入る前にしておくのがおすすめです!!
教材研究は、教科書付属の指導書を参考+ネットや本を参考に。
②必要な教具を準備する。ときには例を制作
国語の書く単元などは、教科書の例が使いにくいときもあった。自分で書き、それを例として提示することもよくあった。図工でも、一度作ってみて授業の流れが見えてくることが多かった。
失敗談
「白い帽子」の単元にて、毎時間ワークシートを作ったが・・・
▲その後のプリントの管理が大変。
▲準備に時間がかかる
▲プリントをノートに貼る時間が惜しい
→基本はノートを使うことを考えるといい!!
5 各教科のおすすめの進め方
国語
・最初に単元全体のゴールを提示
大きい紙に書いて裏にマグネットを貼る。→毎時黒板の左端に貼っておく。
・そのための計画を提案→子どもたちの意見を取り入れながら修正
4つ切り画用紙等に書いておく
■国語の参考書のおすすめ
1冊目
2冊目
算数
■今知っている・できる計算からつなげて進めていく(既習の知識を繋げる)
■最初にすぐにできる問題を3問ほど(復習)
先生問題!と言ってました
→じゃあこれは?本時の内容につなげる(どこが変わった?と違いを問うときもある)
■『学び合い』を実践!
→葛原祥太先生の実践を参考に<学び合いの地図>を作ってました。
社会
・資料を正しく読み取ることを意識
・暗記もの?みたいになり難しかった
・教科書から見つけてまとめよう、と言う流れが多かった
「密にならないクラスづくり」に寄稿したアクティビティ
■社会の最初にしていたアクティビティ
「地図帳の旅」
日直さんが目次からある地名を言う。先生がスタート!→一斉に探す→1分半後にタイマーが鳴ったらペアで答え合わせ
体育
■授業開始前後の流れをルーティン化するといい
例)・3周(外の時は2周)走る→並んで座る
・縄跳び笛を鳴らすまで
■笛での合図を一番最初に指示→練習
ピピーーーピッピッピ!(座る)
■ふざけは危険!!
→ふざけている人を呼んで行動を振り返させる。「ふざける人は体育できないから休もうか、どうする?」と問いかける。
■体育ノートを作り、毎回振り返りをしていた
・1センチ方眼ノートを使用
・「まか次」を振り返りの合言葉にしていた (ま・・・学び方、か・・・感想、次はどうしたい)
図工
①教科書方題材を知る、めあてを3つほど提示(=評価の観点)
めあての例)・いろんな線や形を作る・丁寧に掘る・場面いっぱいに大きく作る
※「いろんな模様で版画」という題材の場合
②表現の仕方の枠を提示・共有する
例)形×線の種類×大きさ×塗り潰しの有無
❌キャラクター、「何か」を再現(なんでもないようなものを作って欲しいから)
❌素敵じゃない例、空白が多すぎ←よくない例を提示する
こういうのはやめようね、と共有しておくのはとても大事です!
③単元計画を共有
→子どもたちに提案・心配な点はあるか確認
→4つ切り画用紙に予定を書いて掲示
④制作 見合いっこタイムもはさみながら
※片付け時間に注意!片付け時間をあらかじめ子どもたちと決める。
⑤鑑賞 「誰々の作品のどんなところがどうだった。」
・最初に示しためあてについての評価
・感じたこと:〜みたい、〜な気持ちになった
音楽
1時間に「歌唱」「器楽」「鑑賞か音楽づくり」の3つの活動を入れる
○授業の始まり
着いた人から自分の鍵盤ハーモニカかリコーダーで弾ける曲を練習
チャイムがなったらタンバリンで合図→全員で今やっている曲を合奏→一旦片付け
(きらきら星をピアノで弾きながら曲が終わるまでに片付ける)
きらきら星(別の曲でも◎)は、場つなぎでも使えるので活動の切り替えの時にも使っていました♪
○合奏
・一人2楽器分練習するようにする
メインの鍵盤ハーモニカかリコーダー+特別楽器
例)メインの楽器を練習→テスト→(合格した人から)特別楽器
→特別楽器(音楽室にしかない楽器)をみんなが触れられるようにしていた
・ABCチームに分ける
1回目の合奏は特別楽器Aチーム、2回目Bチーム、のように、役割を交代しながら合奏をしていく
道徳
■範読後、発問、順番に3つほど
ペアで話す→道徳ノートに書く→発表(相互指名)
道徳ノートを作るのがおすすめ!
ノートに書くかどうかは、発達段階に合わせる必要があります!ノートがあれば、ワークシートを毎回印刷する必要がないし、ファイリングの時間も短縮できるので、おすすめです!
■発問にはバリエーションを
例)この人の気持ちはどうだったか
この人のした行動は正しいと思うか
どんな行動をすればよかったか
なぜこんなことをしたのだろう
「自分はこんな生き方がしたい」を子ども自身が認識できるように
まとめ
今回は、小学校の授業について、私が4年間現場で勉強し、経験してきたことをまとめました。網羅的にまとめたので、もっと細かいことは、ご質問いただければお答えします!
私のやり方がすべてではありませんし、他にも色々なやり方があり、だからこそ教員の仕事はおもしろいのだと思います。あくまで一つの参考として本記事の内容を受け取っていただき、自分はどんな授業をしようか考える材料にしていただけると幸いです。
お読みいただきありがとうございます♪