【学級経営で大事なことって?】「間違いは素晴らしい」を土台に

小学校

現在の日本の学校のシステムにおいて、鍵になってくるのが「学級経営」です。学級経営が活動の土台となります。また、「授業と学級経営は両輪だ」ともよく耳にしますね。

学級経営で大切なことはどんなことなのでしょう?

今回は、現小学校教員のG先生にお話を伺いました。

※本記事は2021年2月6日に行われた教員0年目サークルzoom会の内容を基にしています。

学級経営で大事にしていること

・自ら考えて行動できる

・失敗をいかす(間違いは素晴らしい)

G先生はこの2つの価値観を大事にしておられます。

指示・ルールについて

「○○しましょう」と教師側から提示する言い方はほとんどしない。「手を挙げて発言しましょう」とも言ったことない。「ワーワー言ったら聞こえないよ、じゃあどうしたらいい?手を挙げた方が良いね」と、子どもたちとルールを作っていく形。

基本すべてのことは授業で伝える。学級のことも一体で作り上げていく。

そのルールがなかったらどうなるかというのを一度体験させて、必要感を感じさせる。必ず失敗が起きる。○○君が後ろを向いて話をしたことをきっかけにこの話ができたよね、間違いをするっていうことはすごいことだよね。という価値観を常に共有

さきぴー

大事にしている価値観を、それが活きる場で繰り返し伝え続けることで、子どもたちの中にも浸透していきますよね。

最初からルールを押し付けるのではなく、ルールが必要であることを実感させるというステップを踏んでおられるのが素敵です。

大事にしている言葉

「ありがとう」

→よく使用するのは、「これについてよく分からないから教えて」という発問。そして「教えてくれてありがとう」と言う。授業中は沢山ありがとうを言う。

すると、「先生子どもから教わってるじゃん!」との声が。

「じゃあ先生いなくてもいいよね!」「いやあそれは…」というやりとりが生まれます笑。

「ごめんなさい」

→教員が率先して言うようにする。大人が謝ることは子どもにとって衝撃。だからこそ率先して謝る。

〜具体的なエピソード〜

ある児童が「消しゴムが無くなった。友達にとられた」と日記に書いてきた。朝の会でその児童に困っていることはないかを聞き「消しゴムが無くなりました」とみんなに伝えてもらう。そして近くの人に知ってた?と聞く。周りの人も知らない。先生も「知らなくてごめんなさい」と謝る。みんなが困っている子を知らないというのはよくない、というスタンス。どうする?と発問すると「みんなで探す!」と言うのでみんなで探したら1分で見つかった!

さきぴー

先生が謝ってくれるのは、子供の安心感にもつながりますね。守ってくれるんだな、と実感できます。

このエピソードでは、もう一つ、「先生は物を無くした時に真剣に向き合うよ」というメッセージも伝えておられますね。トラブル防止にもつながりそうです。

これから先生になるみなさんへおすすめの〇〇

勉強するのにおすすめの人・本

・植松努さん

「下町ロケット」のモデルとなり、TEDで講演もしたことのある方です。

「みんなが夢を持ち、工夫をして『よりよく』を求める社会をつくること」を提唱しています。

教員ではないが、G先生は保護者にもこの方の考え方を参考にしていると伝えているそうです!

・青山由紀先生(筑波大付属) 

「かかわり言葉でつなぐ学級づくり」

かかわり言葉で子どもたちとの関係を作る実践をしておられる方。G先生が一番好きで参考にしておられるそうです。

筑波大附属小学校の国語の先生で、子どもたちの成長に合わせて、言葉と心を育てる実践をされています!

・田中博史先生 

目からうろこのレシピ集「田中博史のおいしい算数授業レシピ」

算数分野でとても有名な、算数教育の第一人者とも言える先生です。

・苫野一徳先生

「ほんとうの道徳」

あべまる

「そもそも道徳教育は学校がするべきじゃない。いい子になるだけの授業はもう終わりにしよう。」

教科化した時に本当にたくさんの議論が巻き起こりましたね。道徳の本質をつきつめる本です!

・加藤宣行先生

道徳を中心に、さまざまな実践で本を出されています!

道徳の本質を考えても、結局学校でどのように取り組んでいけばいいのでしょうか。知っておいて損はない鉄則です。

子どもたちと出会う前にやっておくとよいこと

名前を覚えること。

「○○君おはよう」だと全然違う。出会う前に覚えた方が良い!

どこの地区から来ているかも覚える。日記の話題にもなる。

誕生日を確認すること。

誕生日カード(子どもの写真とコメント)を作って渡している。個人が頑張っている、グループで頑張っている、仲良さそうにしている写真等3種類ほど選んで貼る。がんばっていることなどを書く。子どもにも保護者にも喜ばれます。

最後に

若手は「分からないことは聞く!」これが一番です。

子どもへのあいさつの仕方、最初の礼の仕方、など些細なことでも聞くのが大事です。

まとめ

G先生は、「間違いは素晴らしい」を大切にし、子供とともにつくっていく学級を実現しておられました。どれだけ「間違えてもいいんだよ」と言っても、間違いは嫌なものだと思います。G先生はそこを「学びになったね」と、しっかり機会を捉えて価値共有しておられ、とても素敵だと感じました。G先生のクラスの子どもたちは、安心して間違えることができるのだと思います。また、「転ばぬ先の杖」を出さず、子どもたちの失敗を一緒に経験し、そこからみんなで学ぶという、学級づくりの基本スタンスも大変勉強になりました。G先生、ありがとうございました!